廃棄物を管理する

電子マニフェストを導入しませんか? 紙伝票の管理や行政報告が不要に 偽造も防いで不適正処理のリスクを削減!

はじめに

2016年1月に発覚したダイコー事件の影響で、電子マニフェストへの注目が高まっています。

ダイコー事件では、マニフェスト伝票が偽造されていたため、紙マニフェストを使用している食品製造業に大きな衝撃を与えました。医療や建設業にくらべ、食品製造業は電子マニフェストの導入が遅れている感がありましたが、これを機に、電子化を含めてマニフェスト管理を見直そうという動きが広がっています。

ここでは、電子マニフェストの概要や普及率を確認し、その利点と欠点をまとめ、さらには効果的な管理のシステムを提案します。

マニフェスト制度とは? 適切な管理で排出者責任を果たす

排出事業者が産業廃棄物の処理を処理業者に委託するとき、その廃棄物の処理の流れを自ら把握し、不適正処理を防止するために、マニフェスト制度があります。

マニフェストによる産業廃棄物の管理は、排出者責任として義務づけられており、排出者は必ず、紙マニフェストか電子マニフェストをつかわなければなりません。

マニフェストを交付しない、虚偽の記載をした、報告義務に違反した、保存義務に違反したなど、マニフェストに係る義務を実施しない排出事業者や処理業者は、刑事処分(6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金)に処せられます。不適正処理が行われた場合には、都道府県から不法投棄された廃棄物の除去等を講じる命令を受けることがあります。こうなってしまうと企業イメージにも甚大な被害が及びます。マニフェストは必ず、法に定められたとおりに管理しましょう。

電子マニフェストの普及率は44%に 50%の大台も目前か

1998年にすべての産業廃棄物にマニフェストの使用が義務づけられ、同時に電子マニフェストもスタートしました。2016年現在、すでに約18年の歴史があるわけです。

マニフェストの運用についてはその後も次々に規制が強化され、2001年にはマニフェストによる最終処分終了報告の確認が義務付けられ、2005年にはマニフェストに関する罰則が強化されました。2011年には紙マニフェストについて、排出事業者の控え(A票)にも5年間の保存義務が課せられました。

不適正処理を防ぐため、排出事業者責任の強化の一環として、年を追うごとにマニフェスト伝票をめぐる規制は強化されています。

電子マニフェストの普及率はどのようになっているのでしょうか。

電子マニフェストを管理するJWNETによれば、直近1年間(2015年8月~2016年7月)の電子マニフェスト年間登録件数は21,856千件です。年間総マニフェスト数を5,000万とすると、電子化率は44%となります。環境省によれば、2012年度末の普及率が約30%ですので、約3.5年で14%向上したことになります。また、今年7月度の電子マニフェスト月間登録件数は1,944千件で、前年同月の1,807千件と比較して7.6%増となっています。

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JWNETより。

環境省の目標では、2,016年度に普及率50%を目指すとしています。この数字の達成については微妙なところですが、少しずつ着実に普及が進んでいるといえるでしょう。

電子マニフェストのメリットは? 紙伝票からの解放が最大の利点

次に、電子マニフェストのメリットを見てみましょう。

紙伝票の管理・保管が不要になる

マニフェスト伝票の運用には適切な管理が求められます。排出事業者の場合は、A、B2、D、E票をそろえ、5年間の保存が義務づけられています。電子化すれば、こういった手間を省くことができます。

紛失や記入漏れなどヒューマンエラーを防止できる

マニフェスト伝票の発行時や郵送時には、記入もれや紛失などが起こる可能性があります。電子なら、こういったヒューマンエラーはゼロとすることができます。

マニフェスト交付状況等の行政への報告が不要となる

すべての産廃を排出する事業所には、マニフェスト伝票の交付状況を年に一度、都道府県や政令市に報告しなければなりませんが、電子マニフェストであればこの報告が不要となります。

リアルタイムで廃棄物の処理状況が確認できる

排出事業者には運搬終了報告、処分終了報告、最終処分終了報告の通知が配信されるため、廃棄物の処理状況をリアルタイムで把握することができます。

電子マニフェストのデメリット

いっぽうで、電子マニフェストにはデメリットもあります。

運用料金が発生する

電子マニフェストの利用には、料金が発生します。料金体系には2種類あり、以下のとおりです。

A料金 25,920円/年(基本料金)、10.8円/件

B料金 2,160円/年(基本料金)、0円/件(66件まで)、32.4円/件(67件~)

※1200枚/年以上だと、A料金にメリットが出てきます。

とはいえ、紙マニフェストも有料で、基本的に25円/枚です。処理業者から買う場合、印刷代が上乗せとなって50円/程度となっていることもあります。

では実際に、電子マニフェストと紙マニフェストの料金を比べてみましょう。

ア)紙マニフェストを1500枚/年使用していた場合、電子A料金に乗り換えると

紙マニフェスト料金 25円×1500枚=37500円

電子マニフェスト料金 25920円+10.8円×1500枚=42120円

年間で4,620円、電子のほうが高くなります。

次に、B料金の場合。

イ)紙マニフェストを150枚/年使用していた場合、電子B料金に乗り換えると

紙マニフェスト料金 25円×150枚=3750円

電子マニフェスト料金 2160円+32.4円×(150-66枚)=4881.6円

年間で1131.6円、電子のほうが高くなります。

それほど大きな差ではありませんね。印刷代などで紙伝票が高いと、電子化したほうが低コストとなるケースもあるでしょう。

また、電子化なら紙伝票の在庫管理や発注業務などの手間を省くこともできます。「収運業者さんに来てもらったが、うっかりして紙のマニフェスト伝票を切らしてしまって回収をお願いできない!」というトラブルがたまにあるのですが、そういったことも防ぐことができます。

紙マニフェストもつかう場合は紙と電子の併用となる

委託先の処理業者が電子マニフェストに対応していないと、その廃棄物にかかわるマニフェスト伝票は電子化できません。他の廃棄物を電子化すると、紙のマニフェスト伝票と、電子マニフェストが併存することとなります。

回収時に紙の受け渡し伝票が発生するので完全なペーパーレスではない

電子マニフェストは、廃棄物の回収時に、収運業者に紙の「受け渡し伝票」を印刷して渡す必要があるので、完全なペーパーレスではありません。しかし、この伝票は渡せばそれで終わりなので、紙マニフェストのような管理は不要です。

システム障害などで入力や閲覧ができなくなる可能性がある

電子マニフェストはインターネットを介したシステムなので、システム障害などの理由で利用できなくなる可能性があります。

電子と紙のマニフェストの一元管理で廃棄物管理を最適化する

以上、紙マニフェストと電子マニフェストのメリットとデメリットを見てきました。

いかがでしょうか。排出事業者にとって電子マニフェストは、デメリットよりもメリットが大きく勝っているのではないでしょうか。特に、これまで電子マニフェストの導入をお手伝いしてきた事業所からは、

「めんどうだという先入観があったが、実際につかってみたらとても便利だ。もう紙には戻れない」

「紙伝票を管理しなくていいのがこれほど楽だとは」

というお声をいただきます。実際に実務を担当する現場から、このような声が上がっているのです。

「すべて電子化できないので、結局は紙マニフェストと電子マニフェストが併存し、管理が煩雑となる」

という理由から、電子化に二の足を踏む廃棄物管理担当者もおられますが、紙マニフェストと電子マニフェストを一元管理できるシステムも、用意しています。

詳細は、こちらからお問い合わせ下さい。

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